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第76回飯豊町立手ノ子小学校卒業式式辞

 日々長くなる陽の光が大地の雪を解かし、野山の草花が力強く芽吹き始めました。いよいよ春の訪れを感じさせる今日のよき日に、飯豊町副町長 髙橋 弘之 様はじめ、多くのご来賓の皆様、そして保護者・祖父母学級の皆様のご臨席を賜り、飯豊町立手ノ子小学校第76回卒業証書授与式を、このように晴れやかに挙行できますこと、誠にありがたく、心より感謝申し上げます。
 Aさん、Bさん、改めて卒業おめでとうございます。卒業証書を受け取った二人の姿は、希望に満ち溢れていてとても輝いて見えます。東日本大震災のほんの少し前に生を受けたあなた方は、ご家族の愛情に育まれ、更には、先生方の教えや仲間の励ましに支えられてきました。今手にしている卒業証書は、これまでの12年間、命を紡いできた証です。どうかこれからも、たった一つの命を大切にして、自分の夢や目標に向かって生き抜いてください。

 さて、第5回ワールドベースボールクラシックが、6年ぶりに開幕しました。日本代表として大活躍中のメジャーリーガー大谷翔平選手に触れながら、私から、卒業生のAさん、Bさんに、餞として、「無理の向こうに道がある」という言葉を贈りたいと思います。
 大谷選手については、1学期の始業式で、手ノ子小学校の合言葉「【あ】・【い】・【う】・【え】・【お】」の「【あ】あきらめない」についての話題にも挙げました。その大谷選手は、花巻東高校時代にお世話になった野球部の佐々木洋監督から頂いた言葉を、今でも大切にしているそうです。それは、「先入観は可能を不可能にする」という言葉です。この言葉のとおり、「無理だと思ったら終わり」と自分に言い聞かせながら努力し続け、「普通に160キロ台のボールを投げる」「プロ野球でピッチャーとバッターの二刀流で通用する」など、それまでの「野球に対する先入観」の壁を打ち破りました。そして、アメリカのメジャーリーグでも二刀流を実現し、華々しい活躍を続けています。
 夢や目標に向かって努力し続ければ、いつかは成功できるかもしれません。しかし、大谷選手のように一つの夢や目標を持ち続けることは、決して簡単なことではありません。自分にとって本当に大切な夢や目標を見付けるためには、まずは自分自身を知ること、自分の強み・長所を明らかにすることが大切です。ですから、Aさん、Bさんには、自分が興味を持ったこと、新しいことに対しては、失敗を恐れず、あきらめずに挑戦してほしいのです。失敗は決して恥ずかしいことではありません。むしろ、失敗から学ぶことができれば、成長し続けることができるはずです。
 Aさん、Bさんにとっての小学校生活は、同級生が一人減り、二人減り、そしてコロナ禍となり、寂しい思い、窮屈な思いもあったことでしょう。そのような中でも、今年度は最高学年として、二人で何役もの責任を果たしてきました。特に、小学校最後の運動会では、赤白両組頭として組の仲間を導き、休み時間も競技の練習をくり返す姿が印象的でした。中学校に進学しても、「無理の向こうに道がある」と自分に言い聞かせて、夢や目標を追いかけ試行錯誤してください。それが、Aさん、Bさんをわくわくさせる、人生の「探究学習」となることを期待しています。
 
 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。頼もしく、立派に成長されたお子様の晴れ姿をご覧になり、お喜びもひとしおのことと存じます。改めて心よりお祝い申し上げます。祖父母学級の皆様とともに、これまで学校にお寄せいただきました数々のご支援・ご協力に対しまして、厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。